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更新日:2000年12月27日

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TIPS 2000 Artists
ピーター・ミラー

フォトグラヴュール

Peter Miller Peter Miller

フォトグラビアは19世紀に発明された版画の一種です。木版と違って、銅板の凹んだ部分に満ちたインクが紙に移されます。手作業でフォトグラビアプリントを作っている人は世界中でも数人しかいません。鎌倉在住のミラー氏は、その一人。大型カメラで撮った写真を化学処理によって銅板にエッチングし、インクを銅板に塗ってその画像を紙に移します。結果は独特な風雅の絵。この手作りアートは、大変な手間と時間がかかり、非常に高度な精密さも要求されます。危険な化学薬品と有害なUV光も使われるので、安全処置が大切。何年もかけてやっとミラー氏がこの技法を独学でマスターし、作品は国内外で高い評価を受けています。

Arthur Sackler Gallery of the Smithsonian Institute, National Museum of American Artなどの有数の美術館の所蔵コレクションに買われています。個展も鎌倉、東京を初め、欧米でも開催されています。主に鎌倉の風景(寺院と海岸)、根菜類と小道のシリーズがあります。

ホームページ:http://www.kamprint.com/jsite1.htm#JSite1

ローレンス・ハッフ

プラチナ プラジアム プリント

プラチナ・プリントも昔(1873年)からの技法で、普段の銀塩の代わりに白金の鉄塩の感光材料を手で塗っている印画紙を使います。画像の耐久性と保存性が優れていて、永久保存に向いている技法です。再現できるトーンも銀塩より幅が広い。ハッフ氏は、大型カメラで撮った白黒ネガを鉄塩が塗った紙(和紙など)に乗せてUV光で露光します。白金の代わりにプラジアム鉄塩を感光材料として使うこともあります。手作りプリントの被写体は主に、ポートレート、ヌード、風景または静物を中心とします。アメリカのジョージア州出身のハッフ氏は、日本とアメリカでの個展、受賞も多数。1996年には写真集「スティル(静止)」を出版。また、1999年5月には、横浜美術館においてプラチナ・プリント技法の指導もしています。                         

第一回のTIPS '99にも講演してくれましたが、彼の作品が大反響を受けたため、TIPS 2000にも再び招待しました、現在、拠点を鴨川のスタジオにおき、ワークショップを常時開催中。

ホームページ:http://www.platinum-prints.com/

井桜 直美(桜堂)

日本の古写真

古き技法だけではなく、古き写真そのものもいろいろ魅力があります。その魅力を探ってくれる井桜氏は、明治時代から昭和初期までの日本の古写真の権威者です。写真が日本に本格的に普及し始めたのは開国後の1860年代から。外国人の写真家が開港された横浜、長崎、と函館に住み着いて写真館を開業。富士山、桜、サムライ、芸者ガールなどの写真を撮って外国人観光客に売り出しました。お土産品と言っても、当時の日本の貴重な記録でもあります。

井桜氏は、スライド上映と実際の古写真を展示いたします。そして、間もなく幕末期から明治時代における写真に関係した人々のプロフィールを集めた「セピア色の肖像」を朝日ソノラマより出版します。日本文と英文の両方で書かれ、当時の写真も200点程掲載しています。(英文のブックレビューはここ。


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